高桑栄松先生へ(2)

 

 叙勲への祝電ありがとうございました

 おくればせながら貴兄の叙勲おめでとうございます

 わたしには有能な秘書がおりませんので おそくなって失礼しました

 テレビで皇居での記念写真の様子ちょっと拝見しました

 

 辻達彦先生からのお祝いのはがきに

 「正一位 ほどではないと リンゴ 喰み」とありました

 詠み人しらず 「文化の日 政高学低の 風が吹き」

 

 先生の肩書が「北大名誉教授」だったら 同学の者として 衛生学が世に認められたかと鼻が高かったものの とちょっと残念でした

 もっとも昔小生が衛生学の教授になったとき 弘前に来られた林髞(木木高太郎)先生から即座に 「それじゃ 総理大臣 にならなければならいな」と言われたことを思いだします

 先生が先に書かれた「ステ−ツマン」になられることを祈っております

 

 先日森鴎外のことを書きましたが 同じ「傍観機関」の中に「学問権」のことがありました いくら日本の官僚が優秀でも 「アルバイト」(業)によってたつ学問は評価できないものだと思います とくに国際的なレベルにおいて

 また「衛生学」「疫学」の成果の重要性が認められるまでには 国際的にみても また日本でも それなりに時間のかかるものだとの思いがあります 

 教育は二の次で 研究第一 それもグロ−バルな人々を考え また地域社会の人々の保健を考えてきたものとしては 先の保健文化賞のほうがありがたく思いました

 文部省からの手続きとし 国立大学に長く勤務しただけのことでの今回の叙勲は 大変心苦しいものでしたが 国家公務員・教育公 務員として勤務したものとして お受けすることにしました

  来週文部大臣からの伝達式 つづいての皇居においての拝謁へ上京することにしています

       今後とも お元気で よろしく (7-11-9)

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