健康長寿 あいうえお

 

  あっさり塩味 油味

  いろいろ食べて 腹八分

  運動は適度に 汗かこう

  栄養は子供からの習慣

  おいしさを 頭と心で味わう長寿食

      

 これはWHOフォ−ラム'91が開かれたときの「健康句」である。「活力ある未来社会を求めて−からだと心の健康」とうたったフォ−ラムの仕掛人は島根医大の家森幸男教授だが、世界をまたかけた「循環器疾患と栄養国際共同研究」(WHO-CARDIAC-STUDY)のまとめも近い内に発表されるという。生活のうち「食生活」が「長寿」をきめる大事な要素であることが実証されたようである。

 

 日本心臓財団が主催して毎年八月十日を「ハ−トの日」として各種行事を行っているが、「健康ハ−ト十カ条」をまとめた。

 一 食品は 栄養バランスを考えて(一日三十食品)

 二 脂肪の摂取は植物性を中心に

 三 食塩は調理の工夫で 無理なく減塩

 四 食事の量は 運動量とのバランスで 甘いものには要注意

 五 お酒の量は 自分のペ−スでほどほどに

 六 タバコは吸わない 頑固に禁煙

 七 つとめて歩き 適度の運動

 八 ストレスは 工夫をこらして上手に発散

 九 定期検診わすれずに 毎年一度は健康診断 

 十 血圧とコレステロ−ルを正常に(太りすぎ 糖尿病には注意して)

 

 丁度これと逆なのが「亭主を早死にさせる十カ条」である。

 一 夫をうんと太らせる

 二 酒をうんと飲ます 砂糖・菓子をうんと食べさす

 三 とくに大切なのは 夫をいつも座らせておく(運動不足にする)

 四 飽和脂肪酸を沢山食べさせる

 五 塩分の多い食べ物に慣れさせる

 六 コ−ヒ−をがぶがぶ飲ませる

 七 「たばこ」をすすめる

 八 夜ふかしさせる

 九 休暇旅行にいかせぬ

 十 最後に仕上げに 始終文句をいっていじめる

 いずれも思いあたることであろう。年をとってとかく弱いのは男である。

 「飽和脂肪酸」とは脂肪にもいろいろあるということである。「粥状動脈硬化」に関係にありそうなのは脂肪が分解してできる「飽和脂肪酸」を含む脂肪が悪く、構造上二重結合を持つ「不飽和脂肪酸」とくに二つ以上沢山持つ「多価不飽和脂肪酸」を含む脂肪は良いという考え方が有力になった。だから動物性の脂肪より植物性の脂肪が良いとか、魚の脂肪のエイコサペンタエン酸(EPA)は良いとかいわれ、多価不飽和脂肪酸(多いというポリのP)と飽和脂肪酸(飽和というサチュレィトのS)との比率(P/S)の低いことが高脂血症や動脈硬化症の成因における危険因子の一つとして重要視されるようになった。

 

 私が健康講座で話した「元気で長生きできる工夫」を紹介しよう。

 人は随分長生きするようになった

 ただ長生きだけではしようがない

 元気で長生きするにはどうしたらよいか

 親からもらったものはかえられない

 人の命は運命かというとそうではない

 小さい時に死なずに、結核もくぐりぬけ、戦死もせずに、生き延び  てきたが

 あと人は何で死ぬのであろう

 交通事故、脳卒中、心臓病、そして胃癌か

 いやこれからは肺癌だ

 塩を少なく、りんごを毎日一つたべ、タバコはやめて、運動を

 六十をすぎたら世のため人のため生きがいをもって  

   「健康長寿あいうえお」位なら覚えられるだろう。

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