地球温暖化が進んだことと関係があるかは分からないが、このところ世界中で自然災害が多いような感じをもつ。情報が瞬時に伝わる世の中になったせいかとも思う。
解説・現代健康句という本に、「地震・かみなり・火事・エイズ」と書いたことがあった。日本のエイズ予防財団ができたときその事務を引き受けた山形操六君が「Earthquake,Thunder,Fire & AIDS それいただきます!」といってくれたことを思い出す。
エイズが今世紀末の世界最大ともいえる健康問題だと考えたからだが、「一分間に一人の子供がエイズで死亡しているのだ!」という報告が最近あった。
女子大生にエイズの話をしたとき、「おやじの権威が失墜した現在」思いついた句であったが、その後ラジオで「おやじ」とは「台風のような災害を言い表す土地の言葉である」と解説があって納得したことがあった。
ハリケ−ン(hurricane)はアメリカ南部をおそった台風で有名になった。
わが国の「つなみ」も「tsunami」として国際的に知られることになった。
地震はわが国だけのことだけかと思っていたら、世界中に地震多発地帯があることがわかった。地震の予知はまだまだの感があるが、その方面の学問はわが国が最も進んでいるようだ。
震度の表示が5とか6とかいわれているが、対数的な値であるようで、1つ上がっても大変な災害になる。一応ある数値をきめて予想される災害また対策の計画を考えられてはいるが、それを越える場合にはお手上げであろう。
ニュ−オリンズの水害の場合にも予定された水位以上だったから、町中水浸しになった。それを行政的にせめてもと思う。 その「値」限界をこえることが、いつかは可能性としてあるというのが、「自然の災害」にはあることがあろうと思うからである。
行政的に、責任をせめる気持ちはわかるが、・・・これも自分がいわゆる「学識経験者」として、そのような「値」を考え、その意味を世の中に示す側に立つことで生活してきた(飯をくって)からだと思う。
それにしても「自然災害」が世界各地でおこると、世界をあげてその災害を受けた方々への救助の手がさしのべられている。これはごく自然の人の気持ちの現れであろう。
一方イラクでのアメリカ軍人の戦死者の数が2000になったというのが話題である。
区切りの良い数字ではあるが、イラクの方々が数千・数万と亡くなっているということは話題にもならないのは何故かと思う。
一寸60年も前の第2次世界大戦のとき、ヨ−ロッパでも日本でも、町々は爆撃され、一般の人々が災害を受けた。これも一億火の玉、国民あげての総力戦という考えかたが、世に是認されていたからではないかと思う。
広島・長崎のほか、国内各地で災害にあわれた数は数千・数万であった。救助の手がさしのべられることもなく、良く生きてきたものだと思う。
これからは国どうしの戦いではこんなことは許されないであろう。そう期待したいものである。(20051101)