第1幕
 夜の女王の領地内の森の中、王子タミーノが大蛇に襲われ、助けを求めて駆け込んで来るが、力尽きてその場に気を失う。夜の女王の3人の侍女は、銀の投槍で大蛇を倒し王子を救う。侍女たちが女王に報告するため去った後、鳥刺しのパパゲーノが現われ、王子と初めて顔を合わせる。大蛇を退治してくれたのは君かというと、そうだといって嘘をつくが、侍女たちにバラされ、口がきけないように錠前をかけられてしまう。3人の侍女は夜の女王の王女、パミーナの絵姿を見せて、彼女が邪悪なザラストロに誘拐され、監禁されているので、ぜひ助け出して欲しいと懇願する。王子は一目見て王女に惚れ込んでしまったので、二つ返事で承諾する。すると突然雷鳴が轟き、山も真っ二つに裂けて、夜の女王が現われて、コロラトゥーラの難技巧を駆使した、「夜の女王のアリア」をうたう。そしてもし娘を無事救い出してくれたら、彼女はお前のものになるだろうという。
 王子はこれまでの出来事を信じられないとうたい、パパゲーノは口に錠をかけられたまま、「フム、フム、フム」と哀れな声で応じる。再び3人の侍女が姿をみせ、パパゲーノは口の錠をはずして貰い、王子と行動をともにすることを命じられる。王子には女王から金色の魔笛が贈られ、パパゲーノにはグロッケンシュピールが与えられる。いずれも護身用の道具で、それに3人の童子が案内役になるだろうといって、3人の侍女は退場する。
 ここで場面転換で、ザラストロの居城の中、逃げようとして捕えられたパミーナが、奴隷頭のモノスタトスに引き立てられて来る。やがてパパゲーノがやって来て、モノスタトスと顔を合わせてしまう。2人ともお互いの異様な姿に、驚いて逃げ出すが、パパゲーノが戻って来て、間もなく素敵な王子様が、あなたを救い出しに来るからと告げると、パミーナは喜びのアリアをうたう。
 再び場面が替わって、正面には「叡智の神殿」、右手には「理性の神殿」、左手には「自然の神殿が」が並び建っている。3人の童子に案内された王子がやって来て、弁者との対話が始まる。弁者はザラストロは決して悪人ではないといい、憎悪と欲望を捨てないと、この門の中には入れないと諭す。
 一方のパミーナとパパゲーノは、必死になって逃げて来るが、やはりモノスタトスに捕まってしまう。とっさにパパゲーノは貰ったグロッケンシュピールを打ち鳴らすと、綺麗な音につられてモノスタトスと奴隷たちは踊り出し、どこかへと行ってしまったので2人は一安心する。
 するとそこへライオンに引かせた車に乗って、ザラストロが登場するので、パミーナはここを逃げ出そうとしたのは、モノスタトスが淫らな振る舞いをするのでと告白すると、ザラストロはすべて分かっているといい、自分がお前をこの城に連れて来たのは、母親の夜の女王が傲慢で邪悪な心の持ち主で、そんな母親といたら本当の幸せには、巡り会えないと思ったからだというので、彼女は初めて自分が拉致されて来た理由を知る。
 やがてモノスタトスが、タミーノを引き立てて来る。それをみたパミーナは、これが自分を助けに来た王子だと直感する。そして2人は思わず、抱き合う。ザラストロは得意満面のモノスタトスに、褒美として77回の鞭打ちを命じる。2人はザラストロの裁きの正しさと、彼の高潔な人格を知る。ザラストロは王子とパパゲーノに、心身を清めるために、試練の殿堂へ入るように命ずる。徳と正義を称える合唱が響いて、幕は閉じられる。
(C)出谷啓
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