論文に key words をつけるようになってしばらくたつが、一般の新聞などにもキイ−ワ−ドなどという言葉がつかわれるようになった。
私も先日開かれた舟生教授と鈴木教授の退官と新任のお祝いの会で一言しゃべる機会があったときに、キイ−ワ−ドはゴルフではないかと口にでてしまった。
初めてアメリカへいったとき、鍵の生活を経験し、また留学先の教授が Keys 先生であったこともあったので、そのことを衛生の旅に書いたことがあった。
今度のアメリカ行きでホテルの鍵が一新したのを経験した。
日本の新しいホテルでももうそうなっているところがあるようだが、鍵がコンピュ−タ−化していた。
チェクインするときに渡されるのは、もはや部屋の番号の入った鍵ではなかった。以前この鍵をホテルに返すことを忘れたら、街にあるポストへいれればよいとか、キイ−をなくしたときのためにキイ−デポといっていくばくかの費用を取られたことがあったが、いまは変わってしまった。
キイ−そのものが小さくなり、外出するときいちいちフロントに預けたり、もらったりすることもなく、チェックアウトのときまで自分で管理していたのが、こんどは磁気テ−プのついた小さなカ−ドを渡されるだけになった。それには部屋の番号もなにも書いてない。一見どれも同じカ−ドである。それでいて自分の番号の部屋にいけば、ちょっと開けるには要領がいるのだが、そのカ−ドで開くのである。
安全とプライバシイの保証のためにと書かれていたが、うっかりキイ−を落としたりすると、その番号の部屋に入りこまれる危険を防止するためであろうか。色々のことがあってこのようになったのであろう。
チェックアウトのたびごとに更新されるから、このカ−ドはお持ちいただいても結構ですと書いてあった。格好なスウベニヤである。はじめてであったから。
部屋のTVは日本製ではなかったが、遠隔操作はできた。コ−ド別に色々の番組も選べるようになっており、有料のアダルト番組もあり、また教育上の見地からそれが見られないようにすることもできる仕掛になっていた。
そのコ−ドの中に”88 "で無料で貴方の勘定書がみられるようになっていますというのがあったので選んでみたら、その時間までの私の勘定書が名前入りでずらっと画面にでてきた。前の日に飲んだビ−ル代や有料テレビ代も含めて。
そのままチェクアウトのときの勘定書になるので、”ZIPOUT "を盛んに宣伝していた。ZIPOUT とは ZIP CODE とおなじ使い方であろう。朝のチェックアウトはフロントがこむので、ZIPOUT をご利用くださいと。
前の日の夜にドアーの下に勘定書がはいっていて、それでよければフロントへお電話ください。それだけで結構ですと。受取がいるならあとで送りますと。
もっともこれには前提があり、国際的に通用するクレヂットカ−ドによって、チェックインしていることが必要である。日本からの予約もカ−ドでできるのだが、予約したその日にチェックインしないときにはその日の分はそのカ−ドからいただきますと、その点ぬかりはない。
それにしても便利な世の中になったもので、お金をほとんどもたないで、泊まりあるいてきて、これから弘前の銀行からひきだされることになるはずである。
以前航空券の予約がてきぱきとできるのに、感心もし、いろいろのシステムが自動化し、将来はオ−トマチックホテル、省略して”オ−テル”というホテルができるのではないか、私が名付親になろうと書いたことがあったが、まさにあれから20数年たって、それが現実になってきたようだ。(1・7・11)