「捕鯨禁止」についての記事

 

 いつの頃からはつまびらかではないが、国際会議で「捕鯨禁止」」が話題になって、その論議がいつも理解されなかった記憶がある。

 前に「タバコ問題」に関するHPの中で、これに関する発言があったことを書いたことがあったし、漠然とこの問題は「価値観」に関する問題かとも考えていた。

 たまたま読んだ新聞に、「ああそうだったのか!」と思わせる記事があったことを書き留めておこうと思う。

 それは「みちのく遠景紀行41:佐藤正典:東奧日報2005.7.12」である。

 「・・・・捕鯨を禁止すべきだという動きが突如として世界に広がり始めたのは、ベトナム戦争の最中、1970年代に入ってからのことである。環境保護を目的として、市民の間から自然発生的に生まれた運動ではない。アメリカの政府が中央情報部(CIA)に命じて仕掛けたのである。

 当時、ソンミ村虐殺事件(69年)などアメリカ兵による残虐行為のニュ−スが報道写真とともに世界を駆けめぐり、アメリカ政府はその火消しに躍起になっていた。国際的な非難の矛先をかわすために、練り上げられた情報作戦が「捕鯨禁止」キャンペ−ンだったのである。こんな残酷なことが世界では行われている、もっと冷酷無惨なことをやっている人間たちがいる、と。捕鯨国は、ソ連、旧敵国・日本などであった。

 こうしたアメリカ政府の情報戦略は、公開された政府内部文書によって、事実であることが確認されている。アメリカの情報機関は、年間200億ドル(2兆円余り、2003年)の予算を情報戦のために支出し、民間の団体(NGO)にも大量の工作資金が流れている。・・・」と。

 桜林大学教授の肩書きのある方で、ご自分の留学時の学生同士の会話を含めての記事であった。

 前に「仕掛け人」のことにふれたことがあったが。今世界の情勢を眺めていると、このことに関すると思われるニュ−スはあとをたたない。

 ロンドンでは「第3の男」ならぬ「第5の男」をもとめ、アメリカでは「ホワイトゲ−ト問題」、「ジャ−ナリズムと政権の問題」にゆれ、「本当の情報とは何か」が問われている。(20050717)      

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